小学校に通う時に「登校班」というものがある地域があります。
毎朝決まった場所に集まり、班長を先頭、副班長を最後尾にして整列して学校まで通学するというものです。
学校側から「登校班」で通学するように要請がある場合もあります。
なおかつその「登校班」を保護者が見送り引率をするという暗黙のルールがある小学校もあるようです。
保護者は子どもが安全に通学できるように、班長、副班長とともに小学校近辺まで子どもたちを毎朝見送ります。
毎日のことなので、同じ登校班の保護者で曜日ごとに交代で見送り引率する当番があるそうです。
Aさんは、そんな小学校に子どもを通わせているママ。
今年から子どもが6年生ということもあり、子どもは班長を任されたそうです。
同じ登校班のメンバーとして通学するのは15世帯ほど。
班長の保護者であるAさんは、15世帯の登校班全体を総括する代表になることを余儀なくされました。
Aさんの役目は、見送り引率をする保護者の当番を決め、順番通りに円滑に見送りをするよう連絡することです。
私は見送り引率はできません
新しく登校班が編成され、連絡先を入手したAさんは、新年度からの通学が円滑になるよう登校班の保護者全員にあいさつ回りをしたそうです。
すると、その中の新1年生となる保護者のBさんから「うちは見送り引率はできません」ときっぱりと断られてしまいました。
「毎朝8時に見送りですよね?うちは共働きで8時と言えば出勤時間なんです。無理です。いけません」
「毎日じゃなくて、月に数日だけでもお願いできませんか?他にも仕事をしている保護者の方はいますし、みなさんその時だけはなんとか都合をつけて順番でやっていますので…」
「じゃあうちの子は登校班で登校しなくてもいいです。ひとりでいかせます」
「登校班で通学するのは学校の決まりです。ひとりで行かせるというのは…」
「とにかくうちは無理です」
きっぱりとした態度にAさんも困ってしまったそうです。
そこで他の登校班の保護者に連絡をし、Bさんが見送り引率はできないといっている。Bさんの順番を飛ばしてもいいかと相談したと言います。
すると、他の保護者からは当然のようにクレームが。
「みんな平等に順番ですよね?なんでBさんだけ免除されるんですか?それなら私もやりたくないです」
「Bさんにちゃんとやってもらえるようにもう少しかけあってもらえませんか?班長の保護者なんだし」
「私だって仕事をしています。でも順番だからその日は夫と協力しながらなんとか時間をつくるつもりなんです。みんな立場は一緒ですよね?」
「Bさんは引率をしないのに、なんでBさんの子どもは登校班のメンバーになるのですか?」
Bさんの分をみんなでカバーしよう、などという優しい言葉はなかったと言います。
Bさんへの対応を学校側にも相談してみたのですが、学校側からは
「登校班での通学はお願いしていますが、見送り引率は保護者の方が自主的に行ってくださっていることですので、学校側から連絡することはできません。皆さんの方で解決してもらうしかありません」
と軽くあしらわれてしまったと言います。
Bさんに粘り強く交渉するためにBさんの自宅に何度も足しげくかよったものの、Bさんの了承は得られず、最終的にBさんの分は班長の保護者であるAさんが代わりにやることになったそうです。
Aさんは、ただ子どもが班長になったというだけで、日ごろから学校の代表として活動しているわけではありません。しかし、班長の保護者というだけで、登校班の保護者からのクレームを処理しなくてはなりません。
「なぜ班長の保護者というだけで、他の保護者の自宅に通って交渉までしないといけないのか分かりません。そしてクレームを言われるのも班長の保護者である私だけ…」
Aさんは、Bさんからも冷たく拒否され、他の登校班の保護者からももっとしっかり対応することを求められ、1年間の登校班運営にほとほと疲れてしまったと言います。
先輩ママはどうした?
実はこのような問題は、AさんだけではないとAさんの先輩ママは言います。
「外国の方の世帯など、中には日本語が通じない世帯の方もいて、当然説明さえうまくできないこともあります」
「何のクレームも言わないけど、当番の日に来ないという保護者もいます。いくら連絡しても連絡さえつかない状態」
「学校は何もしてくれないので、すべて班長の保護者がかぶることになる」
仕事のない土曜日の登校日だけでも当番を引き受けてもらえるように粘り強く交渉したというママも。
「中にはシングルマザーで仕事をしていて時間的に厳しいけど、当番なら…と快く引き受けて下さる方もいるのですが…」
学校のきまりなので…みんな平等なので…当番なので…そのような一言だけではママのおつきあいは済まされないようです。
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